不破哲三著・マルクスは生きている 平凡社新書を読んだ

5月に出版されたばかりの新書を早速購入し、読んだ。
値段が七二〇円(税別)という安さに、さすがに大手出版社だと感心した。
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内容は、著者が「科学の目」シリーズで語っていることや、日本共産党綱領を改定する過程で語っていたことであるが、マルクスの著作への入口を紹介してあり、学習会のテキストとしても、大いに活用できるのではないかと思った。

マルクス主義の三つの源泉に沿って、書かれており、その意味でもテキストとして最適だと思う。
ものの見方、科学の目では、日本のノーベル賞受賞者が素粒子論の部門に多いのは、その先輩が唯物論と弁証法の立場に立っていたからだという指摘は、この章を読んでいて、なるほどと思わされた。
また、現代では、観念論と唯物論の対立が余り議論されなくなった背景に、唯物論がほぼ世間の常識になったからだ、と言うのには、現実から出発する科学の目を感じた。

経済では、不破さんが「マルクスと資本論」(全三巻)で恐慌論に関して、マルクスが生前に書こうとして、書けなかった「失われた環」を、補った内容が、短くまとめて書いてあり、これを手がかりに、もう一度「マルクスと資本論」に挑戦してみたいと思った。
「マルクスは抜粋ノートをこうして活用した」という補論は、初めて知ったが、ノートの大切さを教えられた。

未来社会論、社会主義論では、共産党綱領の理解に役立つし、マルクスをめぐる誤解を解くのにもたいへん役立つと思った。特に、ソ連がレーニン以後変質してしまう過程を三つの時期に分けて分析してあるのは、私としては初めて読んだことで、勉強になった。第一が農村集団化の強制、第二が外交政策の変質、ここではスターリンがドイツとの間で、日独伊三国同盟に加わり四国同盟としてペルシャ湾へ到る地域をソ連の勢力圏としたいとの意思表示をしていたことは、初めて知った。そして第三が、その間に「粛正」、政治テロでレーニンとともにたたかった革命世代を根絶やしにしたこと(このことはボっファのソ連邦史や日本共産党の大会でも明らかにしていたが)。
社会主義への過渡期論では、権力の移行問題よりも生産の担い手が主人公になる経済改革に長い、長い時間がかかるというマルクスの指摘も、この本で初めて知った。既に不破さんはそのことをどこかで触れていたのかもしれないが、私は気付いていなかったということかもしれない。

平凡社新書で出版されているので、これまで余り共産党とは縁のなかった人にも読んでもらいたいが、共産党員自身も、この本で学習すれば、確信を持ってひろい国民に共産党を語ることができるようになると思った。




『資本論』全三部を読む—代々木『資本論』ゼミナール・講義集〈第7冊〉
新日本出版社
不破 哲三

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この記事へのコメント

2009年06月01日 06:41
自分でコメントするのは、本文に一部追加するのでは、読み過されるかと思ったから。
この本が説得力を持っているのは、自然科学の発達でも、資本主義の歴史でも、旧ソ連の歴史でも、長い期間を振り返って総括しているからだと思う。この長い期間について、自分で知っていることが、この本で指摘している事実と重なり、納得できることが多いから。

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