「平和のエネルギー トリウム原子力」亀井敬史著 雅粒社刊を読んだ

 全部で86ページの薄い本だが、トリウムを燃料とする原子炉について、世界が今研究していること、ところが日本政府は見向きもしていないこと、アメリカも半世紀前に研究していたが、トリウムでは原爆を製造できないことから開発を中断したことなど、興味深い情報が載っていた。
画像

 著者が朝日新聞に書いたことがきっかけで、「時の法令」に1年間コラムを連載したこと、その中でもトリウムのことをかなり書いたとのことである。
 日本共産党の吉井英勝衆院議員が「原発抜き・地域再生の温暖化対策へ」という本を書いているが、その80ページに、日本でもかつて、吉井さんが学生の時代とのことですが、原子力の研究テーマにいくつもの課題があって燃料に「ウランか、トリウムか」とか、「地震に遭っても安全が保たれる固有安全炉」とか、研究されていたそうですが、アメリカの濃縮ウランを売りつけられて、多様な研究が中断したと書いてあった。81ページにはアメリカのウェスティングハウス社、軍事技術と結びついたこの企業を東芝へ売却することを、米政府が認めたり、フランスの軍事技術と結びついたアレバ社が東芝へ配電系統の販売分野の売却話を持ち出したことに注目し、これらの国では軽水炉からの撤退を考えているのではないか、と推測している。プルトニウムという原爆の材料の拡散を抑える方向に少しブレーキをかけており、近いうちに軽水炉の値打ちがなくなりそうなので、今のうちに日本に売りつけておこうとしているのではないかと、推測している。
 これを読んでいたので、トリウム原子力に興味があって、この本を買い求め、読んだのだが、まさに世界中が、トリウム原子力に力を入れて研究していることがよくわかった。この面でも日本政府の異常な立ち後れを知らされた。
 この本の各章ごとの見出しに、言葉が引用、紹介してあるのもおもしろいと思った。特に第5章「メディアとトリウム」に「宣べ伝える人がなければ、どうして聞くことができよう。ローマ人への手紙10章14節」というのがある。日本のマスコミがトリウムをほとんど報道しないことを「日本のメディアは不思議と語らない」という原田武夫氏の言葉を紹介して批判している。「与える影響が大きすぎると判断すると、重要な内容であっても伝えないこともある。」と。
 日本共産党は原発から5年ないし10年で撤退し、自然エネルギーへ転換することを提言しているが、原子力の平和利用の研究までは否定していないどころか、その必要性を訴えている。私も、この分野での研究の発展を望むものの一人である。
科学カフェ京都のホームページを見ていたら、原子力の新しい研究内容が紹介されていた。
 PDFで10Mを超えるファイルであったが、参考になると思うので、そのリンクを紹介する。

トリウム燃料加速器併用原子炉
トリウム利用のエネルギー
井上信
http://kagakucafe.org/inoue110212a.pdf

http://kagakucafe.org/inoue110212.pdf




平和のエネルギ-トリウム原子力
楽天ブックス
ガンダムは“トリウム”の夢を見るか? 亀井敬史 東京官書普及発行年月:2010年09月 ページ数:8

楽天市場 by 平和のエネルギ-トリウム原子力 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック