作家岩倉政治における思想の冒険を読んだ

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本の題名は、「宗教・反宗教・脱宗教 作家岩倉政治における思想の冒険」
著者は森 葉月、出版社は富山市の桂書房。
 「しんぶん赤旗」の簡単な紹介記事を見て、興味を持ったので、図書館に注文したら、県立図書館の所有するものが届いた。

 読んでみて、わかりやすく、面白いので、アメリカ、カナダへの20日間の旅行中に、2度読んだ。

 著者の森葉月氏は、1996年に大学院を修了し、現在クロアチアのザクレブ大学の講師だとある。私の娘とほぼ同世代の人が、すごい本を出したと思った。
 「はじめに」で著者は、岩波新書【忘れられた思想家】でEHノルマンが安藤昌益を取り上げ、広く知られるようになったが、岩倉政治が作家としては知る人ぞ知るものの思想家としては「まだ知られざる」優れた思想家の一人で、「自分の未来も社会の未来も描けないで悶えている若い世代に岩倉の思想にふれてほしい」と述べている。「まだ知られざる」岩倉を世に出したいとの熱い思いが伝わってくる本であった。

 著者の森氏は「現在のあたりうる限りの資料に基づいて、彼の思想形成の全体像を忠実に再現し、その特徴と現代的意義について考察した」と書いているが、確かに膨大な資料にあたっている。不破さんがマルクスをその歴史の中で読むといっているが、森氏も岩倉の思想形成を忠実にたどっている。

 岩倉政治氏は、富山県で日本共産党の幹部としても活動した人であり、日本共産党がどんな党かを理解してもらうことにもきっと役立つだろう。
 共産主義社会について、次のように書いていることに注目した。「ドイツ・イデオロギー」を引用して、
 「共同社会においてはじめて、各個人にとって、彼の諸素質をあらゆる方面へ発達させる諸手段が存在するのであり、したがって、共同社会において初めて、人格的自由が可能になる」と述べている。岩倉は、マルクスやエンゲルスの言う共産主義の段階というものを、生産手段の共有といった文脈よりは、このような『人格的自由』が真に可能となるという点で理想化していた節がある。」(P159)
 これは日本共産党の新しい綱領で未来社会論として打ち出した内容に通じるものがあると、読んだ。

 富山市の桂書房が刊行した本であり、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。


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この記事へのコメント

秋田猫
2015年08月31日 20:47
中学生の時分に、“空気がなくなる日”と、“無告の記”を読んだことを思い出しました。また読み返してみようと思います。

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