「日中戦争全史」高文研・刊で新しい発見が多数

 高文研・刊、笠原十九司・著「日中戦争全史」を本日(2018/4/8)読み終えた。帯にあるように、「日本人の欠落した歴史認識を埋める、日中戦争とアジア太平洋戦争の全体像」を見渡すことができた思いである。

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 一つは海軍が、北支事変を日中全面戦争に拡大するために、大山中尉を中国軍に銃殺させるという謀略事件(1937/8/9)を引き起こして、第2次上海事変を始めたこと、その目的が対米戦争に備えるために海軍の軍備拡張の予算獲得だったこと、その後の重慶爆撃など中国の各都市への空爆はアメリカとの航空戦の訓練が目的だったことなど、初めて知らされた。

 二つには、ノモンハン事件である(1939)。これが単なる武力衝突ではなく、関東軍が対ソ連に仕掛けた本格的な戦争で、日本が大敗北したことである。

 三つには、日本軍が大陸を北から南へ数千キロにわたって縦断する「大陸打通作戦」(1944/1/4命令、4月中旬から45年2月上旬まで3期にわたる)が大本営の本格的な方針として51万人の大軍を動員して行われたことである。その際、日本軍の略奪・破壊、暴行、強姦などが大規模に発生していたことが、生々しい証言で知らされた。

 4つには、「御聖断」の準備として、「アメリカ国務次官ジョセフ・グルーらが動いて、日本の宮中グループ・木戸幸一内大臣とのパイプを通じ、さらに日米協会の樺山愛輔・吉田茂などの親米派を仲介役にして」(下巻P338)、象徴天皇制として残すことを条件に日本への工作が行われていたことである。昭和天皇が8/14御前会議において「国体については敵も認めていると思う、毛頭不安なし」と発言して、ポツダム宣言受諾を決めたことである。

 日本の歴史を学び直す格好の教材だと認識し直した。ぜひ多くの方に読んでもらいたいと思う。

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