「百人一首の秘密」、「百人一首の世界」を読む

20年以上前に購入した「百人一首の秘密」は経済学者の林直道氏の著書である。購入はしたが、実は読んでいなかった。謎解きに興味があったから購入したのだったが、和歌が苦手で、読み切れなかったのが正直なところである。
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この本には、中身とは関係のない思い出がある。林直道氏から「自分は源平合戦の木曾義仲の末裔と聞いており、源平合戦ゆかりの埴生八幡宮を訪ねたい」との連絡が、どういうルートだったかは忘れたが、私の方に入り、案内を請われたことがあった。来市された日は、わたしの都合が付かなかったので、私の先輩にあたる野端のSさんに案内をお願いした。郷土史にも詳しい方である。
その際、木曾義仲が必勝祈願した埴生八幡宮とともに、倶利伽羅合戦で平家軍を破った倶利伽羅にある不動寺も訪問カ所とした。不動寺の住職に林直道氏を紹介するために「百人一首の秘密」をお貸ししたことがある。本は人に貸すものでないとはわかっていたが、いまだに返してもらっていない。その住職はもう亡くなられた。
新装版の後書きで、読者からの感想が紹介してあったが、そのなかに富山県鯖江市の詩人の紹介があった。地名は著者の勘違いだが、それだけ富山県のことが印象深く残ったのではないかと、独り合点している。
それから10年以上も後のことだが、ある集会でその新装版を見つけ、購入した。それでもまだ、本棚に並べただけだった。

最近、何か読むものはないかと、ぱらぱらとページを繰っていたら、鎌倉時代、承久の乱で敗北した後鳥羽上皇の霊を鎮めるために藤原定家が合わせ言葉を埋め込んで並べたのが百人一首だと書いてあって、その興味で読み進んだら、一気に読むことができた。承久の乱は、武家封建政権によって没落させられた王朝貴族の反乱クーデターであったという。時代の変革の一場面に遭遇したことで私も興味を持ったのだろう。

林氏も書いておられるが、著者がマルクス経済学者であったことで、謎解きに役立ったとのこと。ケネーの「経済表」からマルクス「再生産表式」への発展とか、再生産論を考える上で社会的生産物を生産手段生産部門と消費手段生産部門に分けることなどだそうだ。詳しくは、本書を読んでいただくしかないが、謎解きもおもしろかった。
マルクスの思想は、当時の人類の最高の知性の総括の上に発展したものであるが、林直道氏の謎解きも、1980年代までの藤原定家研究、百人一首研究の上に築かれているのも、マルクス主義者らしい方法だと思った。

クロスワードパズルのように、藤原定家が百人一首を並べた内容を読み解いていくと、後鳥羽上皇の霊を鎮めるために集められた和歌集であることがわかるし、後鳥羽上皇が親しんだ水無瀬の里の絵物語が浮かび上がるし、合わせ言葉を辿ると後鳥羽上皇の歌が隠されていることもわかるのである。

2008年6月26日、偶然、「林直道の百人一首の秘密」というページを見つけた。
ぜひごらんあれ。
http://www8.plala.or.jp/naomichi/

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